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Life

バレンタインから食品ロスを考える

This article is written by a student writer from the Her Campus at ICU (Japan) chapter.

2021年ももう2月に突入。2月のイベントといえば…バレンタイン!友達に、パートナーに、家族に、そして自分に。チョコレートを贈ろうと考えている方も多いのでは?あまーいチョコレートは人を幸せな気持ちにさせてくれるけれど、お店に所狭しと並べられたバレンタイン用のチョコレートはバレンタインが終わったらどこに行くのか考えたことがある人は少ないはず。甘さの裏側にあるバレンタインのビターな一面を覗いてみよう。

街に溢れるチョコレート

この時期になると、ショッピングセンターやデパートはキラキラと輝くチョコレートでいっぱいに。きたるバレンタインに向け多くの企業が並べる様々なスイーツたち。しかし、このチョコレートはバレンタインの後はどこへ行くのだろう?

食品ロス大国、日本

日本の食品ロス量は612万トン(2017年、農林水産省)。世界の食糧援助量、320万トン(2014年、国際連合世界食糧計画(WFP))の約2倍もの量を日本国内だけで破棄していることに。その内、約半数は事業者由来、残り半数は家庭からのもの(2016、井出『賞味期限のウソ』)。賞味期限切れだけでなく、納品期限遅れや販売期間切れ、限定品の売れ残り、など理由は様々。品質としては問題のない商品がそのままに捨てられている。

クリスマスケーキやバレンタインチョコレートはどこへ?

そして、事業者からの廃棄の中でもイベント関連の食料廃棄は大きな問題。クリスマス、お正月、バレンタインと次から次へとやってくるイベントに向けて大量に生産された商品は、そのイベントから一日過ぎると途端にごみに。もちろん、企業も需要量を予測してはいるけれど、欠品の可能性や売り場の見栄えのために供給量が大きく上回っているんだとか。綺麗に並べられたチョコレートは確かに圧巻だけれど、廃棄を想定して作られているなんてなんだか悲しい。
 

問題は廃棄だけじゃない!

チョコレートの需要は一年で大きく変動する。その消費量は冬と夏とでも変わってくるが、二月は飛び抜けて多い(2019、総務省統計局)。自然の作物であるカカオは一気に生産量を増やすのは難しく、児童労働などの倫理的な問題もある。

イベントを楽しむことが悪いわけではないのは言わずもがな。こうしたイベントは人との交流が生まれたり、普段は伝えにくい気持ちを伝えられたりする素敵な時間。けれど、企業の過度な商業的キャンペーンに踊らされないためにも、それぞれのイベントの意味をもう一度考え直してみよう。他の時期にも購入することで、消費量を大きく変動させないのも一つの方法。たくさんの既製品を買い込んで食卓に並べなくても、友人と、家族と、パートナーと、いつもよりちょっと特別な料理を作って、その行事の背景に思いを馳せてみて。

Aoka Kudo

ICU (Japan) '23

Hi! I'm Aoka Kudo, studying Environmental Studies and Development Studies at International Christian University. I love swimming, singing, eating, and walking outside in the breeze!
Articles anonymously written by HCICU Contributors.